原題:「BLACK SNAKE MOAN」2006年・アメリカ(115分)監督:クレイグ・ブリュワー
脚本:クレイグ・ブリュワー
出演:サミュエル・L・ジャクソン/クリスティナ・リッチ/ジャスティン・ティンバーレイク
アメリカ南部の片田舎。妻に逃げられ、孤独な日々を送る初老の元ブルース・ミュージシャン、ラザラス(サミュエル・L・ジャクソン)。ある日、彼は道端に倒れている半裸の若い女性を見つけ、自宅に連れ帰り介抱する。彼女の名前はレイ(クリスティナ・リッチ)。幼いときのトラウマが原因でセックス依存症となってしまい、昨晩も、恋人ロニー(ジャスティン・ティンバーレイク)の入隊で孤独に耐えきれなくなり、男を求めて町を彷徨った末、手ひどい暴力を振るわれてしまったのだった。やがてレイは意識を取り戻すが、敬虔なラザラスは彼女の心に深い闇を見出す。そして、自らその闇を追い払うべく使命感を抱いた彼は、逃走を試みるレイを鎖で縛り付け、独自の方法で“治療”を開始するのだった。(allcinemaより)
性依存症は、アルコール依存、薬物依存、ギャンブル依存などと同じように依存が性に向かう症状。原因は、性的虐待によるストレス、幼少時に適切に愛情を与えられなかったなどの空虚感を性的快楽を得ることで埋めようとするらしい。行為は空虚感からの逃避や自己肯定の手段が主で、依存へと駆り立てる本当の心理的動機に目を向け治療しなければその行為を繰り返してしまうらしい。性依存症、あるいは過去に治療を受けたことを公表している著名人にビル・クリントン、マイケル・ダグラス、ロブ・ロウ、ビリー・ボブ・ソーントン、デビッド・ドゥカブニーがいる。
本作の前半では短いTシャツにショーツ姿でボロボロなレイが鎖に縛られるなど過激な描写が続くが、どこかユーモラスで悲壮感は感じない。wowowの予告を観るとキワモノ作品と勘違いしそうだが、依存症の辛さと克服する過程を至って真面目に描いた作品である。
レイを演じたクリスティナ・リッチは「私は「うつ依存症」の女」で躁鬱病の役をリアルに演じていたが、本作でも体当たりの演技が見られる。脱ぎっぷりも良いが決していやらしさは感じない。
後半は彼女の性依存の原因が明かされ、またレイの恋人ロニーも心に問題を抱えていることが分かる。心の病を扱った作品を見ると、共に傷ついた者だからこそ相手の痛みが分かり、その共感が改善の力となるように思う。レイを立ち直らせようとするラザラスの動機もそうだ。
レイとロニーの心の病となった原因の描写不足、また実際は依存症の克服はかなり難しいことからも結末は安易に感じるが、人間ドラマとしてそれなりに見応えのある作品になっている。重いテーマを扱いながら暗さを感じられず後味も良い。間に挟まれるブルースも作品の良きスパイスとなっている。
満足度★★★
お薦め度★★★
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